2021年3月分給料公開
50代、特養6年勤務の介護職(介護福祉士持ち)
3月の給料は手取りで17万円だった。
(画像は家計簿アプリ「マネーフォワード」)
基本給や手当は、以前公開した2020年11月分の給料と変わらない。
社会保障費や税金が引かれる前の、総支給額は23万8,180円。
夜勤の回数が3回から2回に減り、夜勤手当1回分の6,000円と賃金の深夜割増分が減っただけだ。
新たに約6万人の介護福祉士が誕生
3月26日(金)に第33回介護福祉士国家試験の合格者が発表された。
8万4,483人が受験し、合格者が5万9,975人。合格率は71%だった。
年齢では41歳〜50歳が一番多く、1万5,735人が合格した。
正確には、合格後送られてくる登録書類を提出し、手数料や何やらで1万3,000円ほど払って、登録証を手に入れて初めて介護福祉士を名乗れる。
自分は3年前に介護福祉士国家試験に合格したが、国家資格を取る前と今との給料の違いは、資格手当5,000円があるかないかだけ。資格手当そのものが無い介護の仕事もあるそうなので、あるだけマシなのかも知れない。
介護職の現実
介護職の朝は早い。
早番の出勤時間は6:30からなので、起きるのは4時くらいだ。今の時期、外はまだ暗い。
遅番は22:00まで勤務がある。田舎なので当然スーパーなど閉まっている。
夜勤は遅番と入れ替わりで、だいたい22:00〜7:00までの9時間拘束、8時間勤務だ。
週休二日制だが、夜勤明けの日が休日扱いのため、朝まで徹夜で仕事して家に帰っても、たいてい寝てしまい休日が終わる。
そんな夜勤が月に1回〜4回ほどある。
もちろん、介護施設は年中無休なので、お盆も正月もGW(ゴールデンウィーク)も無い。
自分の場合はこの6年間、一度も泊まりがけの旅行はしていない。
仕事内容は高齢者のトイレ介助やオムツ交換、食事介助や入浴介助があり、一日中立ち仕事のようなもので、肉体的にキツイ。腰痛は介護職の職業病だ。
寝たきりや、認知症の人も多く、妄想、幻覚、暴言、暴力、同じ話の繰り返し、骨折していても立ち上がる、夜間徘徊、帰宅願望、弄便(自分の便を壁やカーテンに塗る)などに対応し、転倒させないこと、「ちょっと待ってて」などのスピーチロックをしないこと、高齢者に殴られて介護員が自分を守る場面でも、決して相手に怪我をさせないことなどが求められる。
精神的な負荷も大きく、心を病んでしまう介護員も多い。
職員が多ければ対応も何とかできるが、国の福祉行政は、人手不足はロボットやセンサーなど先進技術を使い補えるとして、これまで高齢者3名に対して介護員1名の配置だったものを、もっと多くの高齢者の面倒を見ることが可能と、配置基準を変える方向で動いている。
最近は老衰で体が弱ってきても「死なせないで」「あんたたちの責任だ」と家族から責められる場面も増えてきた。介護施設で事故が起きると、介護員個人が訴えられて有罪になるケースもある。
それらに見合った給料として、手取り17万円が妥当かどうかは難しいところだ。
認知症から学ぶ
自分の場合、独身で家賃38,000円の団地住まい。借金やローンも無く、介護職以前に働いていた時の貯金がある程度あり、それを元手に資産運用なども行って来たので、今のところ手取り17万円でも何とかやっていけている。
介護の仕事のキツイ所ばかりを上げてきたが、営業職や製造業、自営業を経験してきた自分からしたら、他の仕事だってキツイ。何も介護の仕事だけが大変なわけではない。
工場にだって夜勤はあるし、営業成績が上がらないと精神的にも追い詰められる。
古本の買取では、重い本を大量に運ぶために階段を何往復もしなければならなかった。
それに比べたら、今の仕事の方が自分には合っている。だから続けていられると思う。
認知症の高齢者を見ていると、人間について学ぶことが多い。
ここがどこか、今がいつかもわからないのに、家族や家のことは忘れない。もう存在しない昔住んでいた家、若かった頃の自分や家族を追い求め、施設内を歩き回り、子供のご飯を心配する。
「人間って何だろう」と考えさせられる。人間の脳というのは本当に不思議だ。
自分は介護現場で働いていて「人のため」に働いているという認識は一度も持ったことがない。いつも自分のために働いている。認知症から学ぶことはとても楽しい。
もちろん妥協している部分も大いにあるが、50年生きてきた。
妥協することにも慣れっこだ。
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50代、特養6年勤務の介護職(介護福祉士持ち)
3月の給料は手取りで17万円だった。
(画像は家計簿アプリ「マネーフォワード」)
基本給や手当は、以前公開した2020年11月分の給料と変わらない。
社会保障費や税金が引かれる前の、総支給額は23万8,180円。
夜勤の回数が3回から2回に減り、夜勤手当1回分の6,000円と賃金の深夜割増分が減っただけだ。
新たに約6万人の介護福祉士が誕生
3月26日(金)に第33回介護福祉士国家試験の合格者が発表された。
8万4,483人が受験し、合格者が5万9,975人。合格率は71%だった。
年齢では41歳〜50歳が一番多く、1万5,735人が合格した。
正確には、合格後送られてくる登録書類を提出し、手数料や何やらで1万3,000円ほど払って、登録証を手に入れて初めて介護福祉士を名乗れる。
自分は3年前に介護福祉士国家試験に合格したが、国家資格を取る前と今との給料の違いは、資格手当5,000円があるかないかだけ。資格手当そのものが無い介護の仕事もあるそうなので、あるだけマシなのかも知れない。
介護職の現実
介護職の朝は早い。
早番の出勤時間は6:30からなので、起きるのは4時くらいだ。今の時期、外はまだ暗い。
遅番は22:00まで勤務がある。田舎なので当然スーパーなど閉まっている。
夜勤は遅番と入れ替わりで、だいたい22:00〜7:00までの9時間拘束、8時間勤務だ。
週休二日制だが、夜勤明けの日が休日扱いのため、朝まで徹夜で仕事して家に帰っても、たいてい寝てしまい休日が終わる。
そんな夜勤が月に1回〜4回ほどある。
もちろん、介護施設は年中無休なので、お盆も正月もGW(ゴールデンウィーク)も無い。
自分の場合はこの6年間、一度も泊まりがけの旅行はしていない。
仕事内容は高齢者のトイレ介助やオムツ交換、食事介助や入浴介助があり、一日中立ち仕事のようなもので、肉体的にキツイ。腰痛は介護職の職業病だ。
寝たきりや、認知症の人も多く、妄想、幻覚、暴言、暴力、同じ話の繰り返し、骨折していても立ち上がる、夜間徘徊、帰宅願望、弄便(自分の便を壁やカーテンに塗る)などに対応し、転倒させないこと、「ちょっと待ってて」などのスピーチロックをしないこと、高齢者に殴られて介護員が自分を守る場面でも、決して相手に怪我をさせないことなどが求められる。
精神的な負荷も大きく、心を病んでしまう介護員も多い。
職員が多ければ対応も何とかできるが、国の福祉行政は、人手不足はロボットやセンサーなど先進技術を使い補えるとして、これまで高齢者3名に対して介護員1名の配置だったものを、もっと多くの高齢者の面倒を見ることが可能と、配置基準を変える方向で動いている。
最近は老衰で体が弱ってきても「死なせないで」「あんたたちの責任だ」と家族から責められる場面も増えてきた。介護施設で事故が起きると、介護員個人が訴えられて有罪になるケースもある。
それらに見合った給料として、手取り17万円が妥当かどうかは難しいところだ。
認知症から学ぶ
自分の場合、独身で家賃38,000円の団地住まい。借金やローンも無く、介護職以前に働いていた時の貯金がある程度あり、それを元手に資産運用なども行って来たので、今のところ手取り17万円でも何とかやっていけている。
介護の仕事のキツイ所ばかりを上げてきたが、営業職や製造業、自営業を経験してきた自分からしたら、他の仕事だってキツイ。何も介護の仕事だけが大変なわけではない。
工場にだって夜勤はあるし、営業成績が上がらないと精神的にも追い詰められる。
古本の買取では、重い本を大量に運ぶために階段を何往復もしなければならなかった。
それに比べたら、今の仕事の方が自分には合っている。だから続けていられると思う。
認知症の高齢者を見ていると、人間について学ぶことが多い。
ここがどこか、今がいつかもわからないのに、家族や家のことは忘れない。もう存在しない昔住んでいた家、若かった頃の自分や家族を追い求め、施設内を歩き回り、子供のご飯を心配する。
「人間って何だろう」と考えさせられる。人間の脳というのは本当に不思議だ。
自分は介護現場で働いていて「人のため」に働いているという認識は一度も持ったことがない。いつも自分のために働いている。認知症から学ぶことはとても楽しい。
もちろん妥協している部分も大いにあるが、50年生きてきた。
妥協することにも慣れっこだ。
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