50代元アニメーターのアニメレビュー
「王様ランキング(2021)」
(ネタバレ含む)
おとぎ話のような勇気と友情のお話
原作は十日草輔によるマンガ。
2021年に第1クール11話がTV放送され、2022年1月6日深夜から第2クールの放送が始まる。
Amazonプライム・ビデオでも視聴可能。
2022年、「呪術廻戦」よりも「鬼滅の刃」よりも早く続きが観たいアニメだ。
あらすじ
(ネタバレ含む)
おとぎ話のような勇気と友情のお話
原作は十日草輔によるマンガ。
2021年に第1クール11話がTV放送され、2022年1月6日深夜から第2クールの放送が始まる。
Amazonプライム・ビデオでも視聴可能。
2022年、「呪術廻戦」よりも「鬼滅の刃」よりも早く続きが観たいアニメだ。
あらすじ
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが〝王様ランキング〟である。主人公のボッジは、王様ランキング七位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。(アニメ「王様ランキング」公式サイトより引用)
このカゲがいい。
耳も聞こえず口もきけないボッジと出会った不思議な生き物「カゲ」は、ナイフをつきつけ、有り金全部を出すように要求する。
いわゆる追い剥ぎ。
なぜかボッジの言いたいことがわかるカゲに「会話ができることが嬉しい」とボッジは着ている豪華な王子の衣装をすべて脱いで差し出す。
裸でお城に帰って行くボッジの姿を見て笑う国民たち。
次の日も服を差し出しにボッジはカゲに会いに行く。
耳も聞こえず話す事もできない裸の王子。
国民からは「バカなのさ」と笑われ、異母兄弟の第二王子「ダイダ」に誰もが次の王様を期待している。
「裸の王子」「しゃべる鏡」「巨人」「魔法」
風景やキャラクターも、どこかおとぎ話のような世界観で描かれていて、親しみやすくどこかなつかしい。
しかし、ボッジは耳は聞こえなくても、口を見て何をしゃべっているのか理解することができる。
自分がバカにされていることもちゃんと知っている。
王様である巨人の父親と巨人の母親の間に生まれながら、体は小さく、非力で、耳も聞こえない自分がくやしくてたまらない。
でも人前では決して涙は見せない。
いつの日か、父親の跡を継いで立派な王様になることを夢見ている。
そんな耳も聞こえずしゃべれないボッジが見せる勇気に、涙が止まらない。
キャラクターの魅力
薄っぺらく、口や手を影のようなまっ黒の体の中から伸ばすことができ、しゃべることもできる。
幼い時に暗殺を生業としていた一族がことごとく殺され、母親の犠牲のおかげで何とか生きのびたという過去があり、いまはたった1人でコソ泥のような生活をしている。
人間とはかけ離れた姿だが、巨人の王様ボッス王が治める国で、人間に混じって普通に店で買い物したりもしている。
人間に母親を殺され、裏切られ、たった1人で孤独に生きてきたカゲ。
誰からも期待されず、バカにされ、それでも立派な王様を目指すというボッジ。
ある日、弟のダイダとの試合でボロボロにされ、包帯だらけになったボッジにカゲは自分の思いを伝える。
「俺はこれからどんなことがあっても、お前の味方だ」
カゲの言葉にそれまでずっと友達のいなかったボッジの目から涙がこぼれる。
この二人の友情がこの物語の柱なのだが、他にも魅力的なキャラクターがいっぱいだ。
ボッス王の後妻で、ボッジの義理の母にあたる王妃ヒリングも「ボッジに王がつとまると思うの!」と言葉は強いが、しだいにその真意が明らかになってくると、その懸命な姿に胸を打たれる。
もう、出てくるキャラクター出てくるキャラクター、みんな泣かせてくれる。
このアニメのズルいところだ。
見た目や最初の印象と違い、知れば知るほど、キャラクターたちにハマッてしまう。
みんなの心の痛みや葛藤が伝わってくる。
キャラクターたちも、物語の中で互いのことを理解していく。
その過程を丁寧に見せてくれるシナリオもいい。
そんな中で、まだ謎が多い第二王子であるダイダに助言を与え続ける鏡の存在が不気味だ。
王の死 そして運命は動き出す
そんな中、王様であるボッス王が亡くなる。
遺言により、次の王には第一王子であるボッジが指名される。
しかし国民の前で発表された新しい王の名は、第二王子であるダイダだった。
鏡の陰謀。
ボッス王の真意。
冥府の王デスハー。
そして巨人の両親から生まれたボッジが耳が聞こえず体も小さく非力な理由。
主人公がしゃべれないという、アニメとしては致命的ともいえそうな問題を、この作品はうまく魅力に結びつけている。
「アウッアウッ」としかしゃべれないアニメのキャラには賛否両論あるだろうが、作画の表情の付け方、声優さんの頑張りもあって、言葉にはなっていなくてもボッジの思いが伝わってくる。
第1クールは乗っ取られたお城に、ボッジたちが駆けつける途中で終わってしまった。
続きが気になってしかたがない。
Amazonプライム・ビデオで視聴 ↓
監督 八田洋介 原作 十日草輔
アニメーション制作 WIT STUDIO
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